土系舗装の種類と特色
自然舗装(土系舗装)と表現される設計書もあり、自然土(真砂土)を主材とし、硬化剤や接着剤とミキシングして、舗装材を製造します。
大別して、転圧工法とモルタル工法の2種類があります。
(1)転圧工法
硬化接着剤として、乳剤・樹脂剤等有機剤が使用され、含水比率を6%以下とし、フィニッシャーで混合土を敷き詰め、ローラーにて転圧します。
(2)モルタル工法
硬化剤としてセメントを使用し、無機系の添加剤と水を加え、硬めに混錬して、左官(あえてプラスチック)ゴテにて仕上げます。SLソイルサンド舗装は、モルタル工法の代表的な特殊材料添加による工法です。
自然舗装(土系舗装)土を踏み固めた状態が理想であるが、近年の豪雨等で土が流れ出したりするのが欠点です。この欠点を補い、土を自然の硬さに徐々に長い年月によりきれいに風化し、舗装材として可能にしたのがSLソイルサンド舗装工法です。
(1)転圧舗装
含水率が小さいため、ミキシングが均一になりにくく、舗装後2~3年で表面が荒れてくることがあります。
(2)モルタル工法(SLソイルサンド舗装)
水を調整使用するので、均一なミキシングができ、10年以上の耐用年数が多く見られます。
SLソイルサンド舗装工法
真砂土(土)を主材とし、セメント・顔料・土質改良剤(スーパーリキッドSL-1900)・混和剤(スーパーリキッドSL-1900Z)に水を適量加え混錬する土の特性を最大限に生かした自然舗装(土系舗装)です。
RC(リサイクルコンクリート)砕石もしくは粒度調整砕石にていずれも、十分に締め固め打設直前には路盤散水を必要とします。
流動性・吸水性に優れ、硬さの加減を調整できるので、適材適所に使用することができます。また、真砂土に代わる主材についても、現地土、リサイクル材等を改良を加え使用し、舗装材としての活用も可能です。
夏場は路盤にたっぷり散水し、湿潤養生を心がけて下さい。冬場の5度以下での施工は、凍結融解の発生の恐れがありますので避けて下さい。
養生については、寒中コンクリートと同様での(ケミカルシート)養生して下さい。
SLソイルサンドを打設しスコップ、レーキ等で敷き均し、木ゴテやプラスチックゴテで硬化状況をみて押さえます。その後、刷毛またはホウキで表面を仕上げます。
透水性(吸水性)があります。通常の土と同じです。
粒子の大きい土ほど透水性(吸水性)が良いです。
セメントモルタルよりも収縮率は小さく、SLソイルサンド舗装では、目地専用左官表面Vゴテによる誘発目地施工を推奨しております。
表面の密度も高く水分もないので、種子が芽を吹くことができないので草は生えません。
SL-1900(土質改良剤)・SL-1900Z(混和剤)は、一定量で土質骨材配合やセメント量の加減によって(強度)を変えることができます。
- 1.真砂土・セメント・顔料・土質改良剤(SL-1900)・混和剤(SL-1900Z)の混合材による舗装
- 用途に合わせて硬さが調整できます
- 作業性(流動性)と安全性に優れています
- 雑草の発芽が防止できます
- 夏期における表面温度の上昇が少ない
- カラー舗装が簡単にできます
- 景観に合わせることができ環境に調和します
- 吸水性・保水性があります
- 酸・アルカリ・紫外線に強く、耐久性に優れています
薬品SL-1900(無機系特殊水溶液)土質改良剤
土質改良剤ではありますがSL-1900は舗装用に開発された商品です。
硬化剤ではありません。無機系のセメント固化添加剤です。
自然の中で採取される土の中には、セメントの固化を妨げるいろいろな物質が含まれています(有機物質・フミン酸等)。
SL-1900(土質改良剤)を添加すると、セメントの固化反応(水和反応)を活発化し、強力な固化反応を示し、固化後風化を防止する作用があります。
コンクリートは、砂・骨材・セメントに水を加えて製造します。材料が全部無機質のものなので、SL-1900を入れても効果はありません。
その他
有機剤は、夏の高温時に溶け出す恐れが有ります。溶けると有機物質となり自然に悪影響を及ぼします。
- 路盤の不良(転圧等の不足により、水を含むと路盤が下がります)
- 混合材料のミキシング時間の不足(平ミキサー混合は、全材料投入後7分以上混錬します)
- 養生不足(気温の高い時、風の強い時、表面の乾燥が速くなり、ひび割れの要因となります)
- コテによる押さえの不足
- 寒冷地では初期養生、施工場所・時期を考慮した対応
混錬不足のまま施工しますと、クラックや極端な風化による表面の荒れの原因となります。SL-1900は、有機物に働きかける作用を持っています。これは、主材の(土)に浸透しながら作用するため、ある程度の時間を要します。
SL-1900の力を発揮するためにも十分混錬し打設して下さい。
当社では、全国の土を収集、研究しておりアドバイスは、可能ですが公共工事等、確たるデーター(主材となる土での配合テストピース圧縮強度試験)を必要とする場合があります。この様な場合には、検討している土を土のう袋2袋程当社へ送って下さい。
土の性状を考慮し配合等を検討し説明致します。その上で試験を行い判断を致します。
(費用については、基本的に無料ですが状況により何度も試験を行わなければならない場合には、費用の事前相談での対応となります。)
基本的に一軸圧縮強度により、荷重の安全率を踏まえた上で算出致します。
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